インテリアとしてのワインボトル

 

よくレストランの外あるいは店内に、ワインボトルの空き瓶が並んでいることがある。
歴史的には、ロマネ・コンティやシャトー・ラフィットなどのボトルが「どや」な感じで並べられる例が多く、今でもそういう店が多い。

ひどいところだと、絶対にその店にオンリストされてないような高級ワインがディスプレイされている事もある。
ロマネコンティくらいだと、逆にただのディスプレイだなと思うが、微妙に置いてそうなレベルのものがあったりすると紛らわしい。
実際に持込などで空いたものかもしれないし、オークションでも高級ワインの空き瓶が取引されているので、そういうところから入手したりもするのだろう。

DSC01117いずれにせよ、並んでいるボトルを見れば、お店の表現の一つであり、特徴がわかる。高級ブルゴーニュやサロンなどの高級シャンパンを置いていれば、グランヴァン出すのねと一目瞭然だし、ナチュールのボトルを並べていれば、ナチュールを扱っているのだろうと予想する。

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これまで色々な配置を見てきたが、基本的には全てインテリアなのだが、

1)デコレーション的要素
形状・カラーなど、ヴィジュアル的な要素で、一つのインテリアとして配しているもの。この場合、値段の高低は余り関係なく、地域もそれほど限定されない。

2)店の傾向を示すもの
ナチュール系の店で多いのが、提供しているワインの傾向を示すもの。多くは、ジュラやロワールといった、ナチュールの造り手が多いところになる。これは特に外へ向いたディスプレイの場合に、初めての店を判断するときに助かる。ボトルだけでインポーターの傾向がわかる場合もある。

3)店の個性を示すもの
シチリア料理やバスク料理といった、地域を限定した料理を出す店などで、その店の雰囲気を演出する目的で並んでいる場合。その地域のオブジェを置いているのと同じこと。つまり本場らしさを演出しており、そういう気分に浸れるという意味で面白い。

4)作り手・地域の分類
これは割りとマニアックな店主が居る場合だが、ある造り手の一角があたり、ある地域、それも畑レベルの一角があったりと、ワインが整然と並んでいる。そうした一群を見ながら、色んな生産者の話に発展することもあるだろう。現地で働いていたオーナーなどから、現地ならではのマニアックな話を聞くこともできるし、ワインマニア同士で、それらを見ながら会話が弾んだりもするだろう。

5)店主の好み
販売中かどうかに関わらず、店主の好みとして置いている場合。ちょっとしたドヤ感が漂う。トラットリアでラディコン、ナチュールの店でボーペイサージュ、ステーキハウスでキスラーが並んでいたり、フレンチでクロ・パラントゥやヴォギュエを並べている。
こういうところは、店主やソムリエに話しかけてみると、個人的な話が弾んだりする。

6)商業的要件
現在販売中のもの、あるいは最近販売中のものを並べている。ボトルに価格を書いている場合が多い。その性質上、半分くらいはストック切れなのだが、それでもオーダーするときにラベルを見てオーダーできるという点では、ジャケで飲みたい人には良いかもしれない。ただ、中が入ったまま壁に並べており、オーダーされるとそこから取ってくるような店もあり、管理の面で怪しいところもある。

7)デタラメ
以外に多い。ワインに関心が無いということを表現しているようなもの。値段や地域に関わらず、ただなんとなく色んなものが並んでいる。地方のフレンチやイタリアンなどに多い。

いずれにしても、店舗ないしは店主のセンスが問われるところだが、特に最近注目しているのは1のデコレーション的な要素。特にナチュールなどの場合、そもそも5本くらいしか入っておらず再入荷も無いようなものが多いので、並んでいたからといって、オーダーには繋がらない。その分、ラベルのデザインも様々である。

DSC00733それをうまくインテリアとして活かしている店舗はまだ少ない。切り株やドライフラワーなどと組み合わせて、一つのオブジェとして完成していたりすると粋を感じる。並べるというよりも、スタイリングの世界だ。

ワインを並べるという考え方よりも、インテリアに関する考え方がしっかりしていて、配色が素敵だったり、様々な小物の使い方も上手。その全体の中に、うまく自分たちの提供するラインアップを組み入れている発想だ。

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最近、女性オーナーの店が増えてきているが、そういう店にこのあたりのセンスが良い所が多い。何か素敵な店があれば、その他のオブジェ含めて紹介したい。

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