IL BOCCALONE

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(恵比寿)イル・ボッカローネは、天現寺のラ・ビスボッチャの姉妹店になる。恵比寿東口から5分くらい。メニューもビスボッチャから抜粋したような感じだが、ややリーズナブルだ。なお、イル(IL)もラ(LA)も冠詞であって、ILは男性名詞、LAは女性名詞にかかる。そういう意味では、こちらは弟という表現が正しいのかもしれない。

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狭いながらもコテコテのファサード。以前より玄関の豚君が小さくなったのは気のせいだろうか。最初の頃にこの頭の印象が強かったからか、入口がすっきりしてきた気がする。
やや奥まっていることもあり、この辺りは夜になると何にもないので、通り過ぎてしまいそうだ。実際、久しぶりに行くときに迷ったこともある。

冷静に見ると、VELOCEでも入ってそうな、縦長の安っぽい物件だが、とても味のある内装に仕立ててある。ここはオーナーのセンスとしか言いようがない。

店内に入ると、いきなり左側にレジカウンターで右には直ぐにテーブルがある。小さな店内に所狭しと(ファサードの外まで)テーブルが張り出しているが、この入ってすぐ右のエリアを気に入っているお客さんも居るようだ。形状的に半個室のように囲まれるので、小さな団体だと気兼ねなく話せて良いのかもしれない。

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こちら、一番奥のエリア。といっても、このフレーム内で既に6割くらいの座席数。今日は夏場に心地よい、一段上がったテラス席からなので、店内を少し見下ろす形になる。

当日は、偶然弊社のお客様がいらっしゃった。やはりクオリティの高い店は遭遇率も高い。

menu

メニューは、ビスボッチャと同じものも多い。ただしこちらはややリーズナブルなのと、ビスボのように、ワゴンで食材が運ばれてくるようなチョイスは無い。
とはいえ、当日のオススメなどを口頭でききながら、料理法や食材の変更などはフレキシブルにディスカッションできる。

お名前は忘れてしまったが、日本人のメガネの方。以前にも対応いただいたが、彼の場合は料理のオーダーに対して丁寧に対応してくれる。イタリア人(?)スタッフにオーダーするのは通り一遍なことが多いので、控えたほうが良いかもしれない。

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LO SPARVIERE / FRANCIACORTA DOSAGGIO ZERO RISERVA 2008

この造り手のフラッグシップ。ついでにうと、この店でもハイエンドの泡。ドサージュ・ゼロと誇らしげに書いている。シャルドネ100%。葡萄の熟度が高いのだろう、ドサージュ無しとは思えないほどのしっかりした果実味がある。
ただ、シャンパーニュのブラン・ド・ブランとは異なり、和菓子系の、どことなく田舎臭い甘みを含む。スタッフは「フランチャコルタらしさ」と言っていたが、まぁそういってしまえば何でもありなのだが..。

最初に出された時に「2~3年前にトレビッキエーリを取りまして…」と、ごく自然に説明されたが。ちょっとまて、素人に何の前触れもなくガンベロロッソは出さない。この方はひょっとしたら覚えてくださっていたのだろうか。

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パンは、種類も盛り方も、完全にビスボと同じ。

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厨房は、前後に2個あるように見えるが、壁伝いに一つに繋がっている。ビスボもそうなのだが、ここもキリっとした美女がシェフをやっている。見ていてカッコいい。そういう人事戦略なのだろうか。だとしたら正しい。やはり美しい方の作る料理は安心して食べられる。男性も比較的イケメンシェフだった。辻調とのパイプでもあるのか。

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アーティチョーク、セロリ、トマト、ルッコラ。さわやかで美味しい。ビスボ系は本当に味付けがシンプルでいい。アーティチョークの旬は終わりかけているはずだが、満足の一皿となった。

2

牛ヒレ肉のカルパッチョ。「イタリアではカルパッチョはそもそも肉」と言っていた。本当なのか。大胆にスライスしたパルミジャーノが豪快に盛られている。これまたシンプルで美味しい。カルパッチョの起源が肉か魚とかはどうでもよくなった。

3

フリットミスト。大好きなタコ・イカを入れていただき、あとはズッキーニだっかなか?
大のフリット好きなので評価は甘くなるのだが、厚切りで豪快な美味しいフリット。満足。

4

自家製のブシアーティとオマールのトマトソース。奥はオイル系の魚介のリゾット。ブシアーティが厚ぼったくなく、食感とソースの絡みが抜群で美味しい。この手の手打ちパスタは店によって良し悪しに随分差が出る。

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スティルはナポリのナティア。夏はやっぱり強めに冷やした軟水が良い。料理も終わって「お水一杯ください」で普通の水を期待したが、しっかりミネラルウォーターだった。まぁこの手のリストランテでは当たり前だが、ちょっと川越事件を思い出した。

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ラストオーダー直前に訪問するメリットは、食べ終わる頃には殆どのお客さんが帰っているため、店内の様子をスッキリと撮影できる。

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ゴチャゴチャしているようだが、絵や写真が整然と並べられているので、粗雑な感じがしない。天井がエスニック料理店のような藁ぶきになっているのは、何を意図しているのだろうか。イタリアンにしては珍しいので理由を尋ねてみたい。

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改めて、リストランテとして理想的なファサード。こういうオブジェクトが閉店後も盗まれたり落書きされたりしないのは、日本ならではだろう。

ビスボと違ってアクセスが良い分、たまに変な客が居る。今回も大声で騒ぐ女子が1組居たので、座席を移動させてもらった。まぁ小洒落たな店に来て、一見賑やかな雰囲気で酒を飲んだら我を忘れてはしゃいでしまうのも理解できる。
ただし、特別な食事をするならば、他の全ての客も同じく特別な食事を求めて来ているという事を忘れてはいけない。
インテリアと同様に、客の洋服や表情や言葉。それら全てが店の雰囲気を作っている。言い換えれば、自分の姿は、他の客から見て店の空間の一つの要素。自分の存在や行動が、その店の印象を上下させてしまうことを忘れれてはならない。
愛すべき店、大好きな店ならば、特にその点を気遣って過ごして欲しいと思う。

ただこのような事は希で、隠れ家的な立地もあり、通常は客層も良いほうだ。

なお、比較的予約は取り易い。ちょっと遅めでも駆け込める有力候補の一つである。

■公式サイト
http://ilboccalone.net/


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